ごあいさつ

糖尿病の予防・リハビリについて

線.jpg

○糖尿病とは?

・インスリンの作用不足に基づき、高血糖を生じる疾患です。

・神経症・網膜症・腎症などの微小血管障害や心筋梗塞・脳梗塞などの動脈硬化疾患のリスクを高めます。

・糖尿病患者890万人、同予備軍1320万人、合計2210万人。国民の約6人に1人。(平成19年)

・高カロリー、高脂肪食、運動不足といった生活習慣が肥満と共にインスリン作用不足をきたすことが原因となります。

 

○リハビリ・運動療法の効果

リハビリ・運動により骨格筋が収縮することによりブドウ糖が骨格筋に多く取り込まれ、血糖値は低下します。

急性効果:身体活動を行う事によって、インスリン非依存的に血糖を筋肉に取り込み、血糖が低下すること。

慢性効果:身体活動を継続して行う事によって、全身的な肥満が解消され、インスリン抵抗性が改善すること。

*急性効果は48時間後には消失してしまうため、慢性効果が重要となります。

 

○リハビリ・運動処方

・運動の種類:有酸素運動とレジスタンス運動

・運動の強度:最大酸素摂取量の5060%、それ以上はリスクを考慮します。

 自覚的運動強度としては、‘やや楽である~ややきつい‘程度で行います。

・目標として、①中強度で、毎日2000歩/日(20分)の増加かそれに相当する活動量の増加。

 または、②8000~10000歩/日かそれに相当する活動量を目指す。

 *比較的時間のある高齢者や主婦においては、毎日決められた時間に運動する方がうまくいきやすいです。

  本人のライフスタイルを聞いて、自身がどのようにしたいか、どの方法なら出来そうかなどを相談しながら、

  最適な運動を決めます。

 *歩数計を持つだけで、2500歩増加します。

 *1回の運動でも血糖を下げる効果があり、体重が減らなくても効果があるということをよく説明します。

・リハビリ・運動の頻度としては週3回、タイミングは食後1~2時間が適しています。

・レジスタンス運動は週1~3回程度行うことが勧められています。

 

○糖代謝について

・高血糖⇒血管や組織に悪影響

・インスリンが血糖値を正常域に保つ。

・肥満・運動不足で、インスリンが働きにくくなります。⇒血糖が下がりにくくなります。

 

○リハビリ・運動の効果

①リハビリ・運動によりインスリン感受性は改善します。

肥満者ではインスリン抵抗性の改善のためには、単に骨格筋のトレーニングだけでなく、体脂肪の減少を目指したエネルギー消費の増大を図ります。

*体重や体脂肪の変化がなくても、運動による糖代謝の改善が起こります。

*高強度の運動の方が改善が大きいです。

VO2max70%、30分のエルゴメーターを1週間で効果が認められています。

*座っている時間を短くし、歩いている時間を細切れでも長くすることで効果があります。

 

②インスリンの働きが多少悪くても、筋肉の収縮そのものが刺激となります。⇒細胞内の糖の取りこみ増加します。

*リハビリ・運動で、肝臓には肝糖放出や肝グリコーゲン分解の抑制、骨格筋には糖取り込みの促進が生じます。

 ⇒骨格筋は摂取した糖の3050%取り込むので重要となります。

 

③脂肪減少により、インスリン抵抗性が改善します。 

 習慣化した運動により、肥満の改善、特に内臓脂肪の減少からインスリン抵抗性の惹起する分泌物質が減少します(脂肪組織の質の改善)。

 ⇒インスリン抵抗性が改善します。

 

線.jpg