ごあいさつ
トレーニング全般について
<筋力トレーニング>
・30~40歳を過ぎると筋量が減少
・活動量の減少
・転倒・骨折
・インスリン抵抗性糖尿病のリスクが増加
*握力は総死亡率と関連
□レジスタンストレーニング
構成要素:種目、負荷強度、反復回数、セット間の休息時間、筋収縮様式、動作速度
○最大筋力型
・高強度(1RMの85%以上)
・反復少ない(1~6回)
・2~4分程度のセット間休息
○筋肥大型
中強度(1RMの70~85%)
・反復やや多い(6~12回)
・0~2分程度のセット間休息
□神経系の要因を高めるトレーニング
○連続ジャンプに代表されるプライオメトリックトレーニング(ボックスジャンプやバウンディング等)
○一般には「筋肥大型」のトレーニングで十分な筋量を獲得した上で「最大筋力型」やプライオメトリックトレーニングに移行します。
*運動、特に筋力トレーニングは成長ホルモンの分泌を刺激(タンパク質・コラーゲン合成の増加、脂肪分解の促進)
○中高年者や女性はケガをしにくい、50%1RMの重量を低速(3秒で拳上、3秒で下降)でも効果があります。
*トレーニング開始後数週間では、主に神経系の要因(運動単位の動員の増加)が改善し筋力が増加します。筋量の増加は1ヶ月を経過したころから起こります。高齢者では、トレーニング期間全体を通して、神経系要因の改善の貢献度が大きいです。
<全身持久力トレーニング>
長時間にわたり、一定の(高めの)酸素摂取水準で全身的な活動を行い続ける体力を全身持久力と定義しています。
・「最大酸素摂取量」が全身持久力を評価する妥当基準とします。
・「最大酸素摂取量」 は、加齢に伴い漸減します。また、日常生活における身体活動量の減少、骨格筋量の減少、体脂肪率や体重の増加などにも影響を受けます。
・ 「最大酸素摂取量」と高血圧症、高脂血症、肥満、冠動脈疾患、総死亡率と負の相関
・「最大酸素摂取量」は20歳でピーク、その後、年約1%低下し、60歳を越えるとさらに急速に低下します。
・週2回程度(1回30~40分)の有酸素運動を継続することで、 「最大酸素摂取量」は10年間ほとんど低下しなくなると言われています。
<柔軟性トレーニング>
・意義:けがの予防、スポーツパフォーマンスの向上
*中高年者において柔軟性が低いほど血管が硬い(動脈硬化度が高い)傾向にあり、生活習慣病などの疾病リスクにも関与しています。
・柔軟性を決定する因子は複数あるが、主に日常的な運動習慣やトレーニングの有無によって影響されます。
・「静的ストレッチ」は、30秒間の保持が最も効果的。また、10~30秒の保持が推奨されており、プログラム全体に要する時間から1つの姿勢にかける時間を逆算します。また、柔軟性を維持、向上させるためには、少なくとも週に2~3回、理想的には1日に2回程度のストレッチが有効となります。
・「動的ストレッチ」は、競技種目の特性に応じた動的柔軟性を向上させることや、ウォーミングアップと組み合わせて全身の筋温を高めることに効果的です。
・ストレッチの順序は、大きな筋群を優先部位として、主動作筋と拮抗筋を交互に、左右対称に、徐々にダイナミックな動作を伴って伸ばしていきます。
*柔軟性が高いと、外見上美しく、動作がしなやかで優美に見えます。また、関節の可動域が増加することでより長い時間、より大きな可動範囲における力の発揮が可能となり、総運動量が向上します。
<バランストレーニング>
・バランスのトレーニングをするということは、「中枢神経(脳・脊髄)や感覚系(視覚・平衡感覚・体性感覚)」のトレーニングにもなります。
(足の筋力がなくて転ぶ人もいますが、筋力だけあっても転ぶ人はいます。)
・転ばない、スポーツパフォーマンスをあげる、運動を巧みに効率よく行うことにつながります。
・バランスの測定方法:
○閉眼片足立ち
○スターエクスカージョンバランステスト
○タンデム歩行
(高齢者:ファンクショナルリーチテスト、幼児:平均台歩行、児童生徒:飛び石テスト)