ごあいさつ
メタボリックシンドロームの予防とリハビリについて
○メタボリックシンドロームとは?
・循環器疾患の危険因子が一個人に複数集積し、循環器疾患を発症する危険性が高まっている状態を指します。
・内臓脂肪の過剰蓄積(腹囲:男性≧85,女性≧90 )に加え、脂質代謝異常、血圧高値、高血糖のうち2つ以上を併せ持ちます。
○有病率は?
・40~74歳/男性:30.3%、女性:11.0%
・予備軍(腹囲の基準を満たし、3項目中1つ該当)
/男性:56.2%、女性:19.2%
○メタボリックシンドロームと循環器疾患の発症リスク
・虚血性心疾患/男性:2.4倍、女性:2.3倍
・脳卒中/男性:2.0倍、女性:1.5倍
○身体活動、全身持久性体力、運動習慣、筋力が予防や改善に有効(構成因子により改善度は異なる)
○食事改善単独でも十分に体重減少及びメタボ改善が可能(71%、-6.0kg)、運動実践+食事改善(95%、-8.8kg)
*常に運動できない場合もあるので、まず食事改善し、さらに運動実践により改善率を高めると考えられます。
○運動によりメタボ予防・改善のメカニズム
・糖代謝:骨格筋の収縮により、インスリンとは独立した機序で、糖取り込みを増大させるという急性効果があります。また、慢性的な改善効果については、骨格筋量の増加、毛細血管密度および血流量の増加、糖代謝および酸化関連酵素の活性化、ミトコンドリア数およびサイズの増加が、総合的に関与していると考えられています。
・血中脂質:運動により、中性脂肪の分解が促進され、同時にHDLコレステロールの増加等に貢献すると考えられます。
・降圧機序:プロスタグランジンEの上昇や、カテコラミンの減少による交感神経系活動の低下、毛細血管密度および血流量の増大による末梢血管抵抗の減少などが考えられます。
○予防・改善のための運動量:
中高強度の運動・身体活動を週150分以上行うことが有効です。
○減量目標:個々の肥満度や健康度に応じて、5~15%の減量が推奨されます。